ロサンゼルスで移民労働者先頭に6万人がメーデー・デモ
「われわれの欲しいもの、それは適法化だ」「いつそれが欲しいか、今すぐだ」。これが今年のロサンゼルス・メーデーのスローガンだった。アメリカでは5月1日に主要大都市で、数十万人の労働者がメーデーのデモに立ち上がった。ロサンゼルスのデモはそのうち最大のデモとなった(写真)。今年のロサンゼルスのデモは、オバマ政権の下でこれまで以上に強化されている移民労働者取締りに抗議し、労働者としての権利を要求する闘いとして爆発した。
「移民労働者に完全な権利を求める連合」の旗の下に結集した3万人のラテン系移民労働者を先頭に行われたデモは、午後1時にブロードウェイとオリンピックの交差点から出発した。デモの目的地のテンプル・アンド・ブロードウェイでは、集会がもたれ、労働組合の指導者や移民の権利を擁護する人々が演説を行った。この集会ではロサンゼルス統一教組(UTLA)のA・J・ダフィー委員長も演説し、5月15日に4000人の教職員解雇攻撃を阻止するためにUTLAがストライキを行うことが明らかにされた。同日行われた記者会見でもダフィー委員長はストライキ宣言を発表した(写真)。
この日、ロサンゼルス市内では、フィリピン労働者センター傘下の労働者を中心とする1万5000人のデモと、南カリフォルニア移民の権利連合傘下の移民労働者の5000人のデモも行われた。その他にも、2000人のラテン系労働者が移民労働者の収容センターにむけデモを行った。アメリカには500万人のフィリピン人移民労働者がおり、うち150万人が、オバマ政権の下で「非合法移民」として強制的に収容されたり、送還されたりしている。
サンフランシスコでは、最大の隊列をもって参加したILWUのパレード・チームを先頭に、2000人のメーデー・デモが闘われた(サンフランシスコ・メーデー写真集へ)。今年は大恐慌情勢の下で、資本側が「ストップ・ワークは協約違反」などの主張を振りかざしてなりふりかまわぬ強権的な妨害策動を行ったため、港湾でのILWUのストップ・ワークが実現しなかった。このため、昨年のように全労働者が参加することはできなかった。しかし、ILWUの労働者たちは5・1メーデーの伝統を復活させ、守るために断固としてメーデー・デモにうってでた。
シカゴでは2500人がメーデー・デモに参加した。新型インフルエンザの流行を口実にした市当局のデモ中止要請を蹴って、労働者たちは「移民労働者の適法化なしには、平等な労働権はない」というスローガンの下にデモを行った。このデモにはいくつかの学生グループとチームスターの労働者、日雇い労働者なども参加した。また昨年12月に職場での座り込み闘争に勝利した統一電機労組ローカル1110のリパブリック・ウインドーズ・アンド・ドアーズの労働者が参加し、喝采を浴びた。
シアトルでは、5000人の移民労働者と労働組合員が、雇用の自由選択法の通過や、全員加盟制の健康保険の設立、イラク戦争の終結、移民労働者への弾圧の中止、強制収用反対などを求めてメーデー・デモを行った。ワシントンでは首都移民連合を先頭に、50団体3000人がメーデー・デモに立った。いくつかの労働組合も参加した。家畜飼育業者800人のメーデー・デモも並行して行われた。このほか、ポートランド(2500人)、ニューヨーク(1000人)、サンディエゴ(500人)などでもデモが行われた。(TZ)