ソウルで警察の襲撃を迎え撃つ戦闘的メーデーが闘われる
メーデーの5月1日、韓国の首都ソウルでは、民主労総をはじめとする500の労働・市民・社会団体の主催で「ロウソク精神継承、民生・民主主義再生、イミョンバク政権審判・汎国民大会」が開かれた。警察がソウル中心部での集会を不許可としたため、やむなく会場を汝矣島(ヨイド)に移して行われた集会には、3万人の労働者・学生・人民が結集した。集会後、地下鉄で中心部に移動した民主労総組合員らは、これを阻む警察と激しい戦闘をくり広げた。
警察は歩道にいる組合員を連行するだけでなく、地下鉄駅構内にまで突入し、棍棒で誰彼かまわず襲いかかった。明洞(ミョンドン)では、突進してくる警察隊を石つぶての嵐が迎え撃った。
さらに翌日、米国産牛肉輸入反対ロウソク闘争の開始から1周年を記念して集会が行われ、ここでも、強制的に解散させようとする警察と激しい激突がくり広げられた。
両日の戦闘の中で多数の負傷者が出、また241名が警察に連行された。しかし、闘いを直接担ったソウルの労働者たちは、あふれる高揚感を持って今回の闘争を総括している。「新自由主義が失敗したにもかかわらずイミョンバクは最後のあがきをしている」「弾圧は激しいが、韓国労働者民衆のダイナミックな闘いが再び始まった」「わが組合員は、素手で警察の暴力に立ち向かい、相当やられたが、それでも、闘う自信が湧き、今後の闘いを展望するきっかけになった」と。
一方、民主労総中央は、労働者と労働組合自体の力にとことん依拠することをせず、「民主労総の危機」といわれる状況を、「社会連帯戦略」すなわち市民団体との統一戦線をとおした要求運動でのりきろうとする傾向を顕著にさせた。イムソンギュ委員長は1日の集会の中で「組織された労働者だけの賃金・雇用闘争を越え、社会保障制度を拡充し、社会構造の根本的改革を叫ばなければならない」と述べ、「社会連帯憲章」制定運動を提案した。
しかし現場の労働者は、とことん暴力的なイミョンバク政権の危機を見抜き、自らの力に対する確信を取り戻し始めている。求められているのは、職場・生産点での闘いと団結を基礎とした労働組合が屹立することを軸に、労働者階級のもとに全人民の結集を勝ち取っていくことだ。直接我が身で闘った仲間たちが感じた圧倒的な高揚感こそ、そのことの可能性と展望を指し示している。(H)