フランスで120万人がメーデー・デモ
フランスのメーデーは、パリの16万人(写真)を始め全国283カ所で計120万人がデモに参加した。争議中の接続器メーカー、モレックス社のあるトゥールーズでは3万人がデモに参加、ボルドーでは5万人、マルセイユでは3万5000人がデモに参加した。デモ参加者が多かったのは、争議中のキャタピラー社のあるグルノーブルの3万人をはじめ、リヨンの1万5000人、ナントの2万5000人、ナンシーの2万人、カーンの2万人、レンヌの1万人などだ。(各地のデモは写真集へ)
オワズ県のコンピエーニュではコンチネンタル社の労働者がほとんど全員デモに参加した(写真左)。グルノーブルでは閉鎖されようとしている自動車部品メーカー、独シェーファー社の労働者が「死ではなく労働を」という横断幕を掲げた。
今回のメーデーは、CGT、CFDTを始めフランス国内の主要な8つの労組全国組織による史上初の統一メーデーとして闘われた。労働者の怒りの的となっている「教育・医療改革」を始めとした新自由主義攻撃をあくまで推進するサルコジ政権に対し、「政策転換」を求めるために、1月と3月のゼネストに続く大規模なメーデー動員で圧力をかけることをめざしたのだ。社会党や仏共産党、NPA(解散した第4インターが中心となった「反資本主義新党」)などの諸政党も、8労組の統一メーデーを支持する共同声明に署名し、参加した。だがサルコジ政権は、8労組幹部らが本質的には資本主義の危機救済の立場に立っていることを見透かして強硬な態度をとり、逆に「政労使会議」のもとに8労組を取り込もうと画策している。この中で、労組幹部と一般組合員との対立が深まり、現場労働者の怒りの決起が始まっている。
キャタピラー社では、政府と資本が人員削減と労働強化を導入してきたことに対して労組幹部が裏取引し、妥協した。コンチネンタル社でもクレロワ工場の移転、1200人解雇を譲らない会社側に労組幹部が屈服・妥協しようとし、一般組合員の怒りが噴出している。ダンロップ―ファイアストーン社でも週7日労働に賛成した労組指導部(CGT)に一般組合員は憤っている。このような情勢を背景にして、フランスではこの間、ボスナッピング(会社幹部の監禁)が頻発するなど体制内労組幹部をのりこえるランク&ファイルの闘いが激しく起こっている。
資本主義の危機救済で一致しメーデーを組織した8労組指導部と「左翼」諸政党に代わる、闘う労働組合と真の労働者革命党の登場が待たれている。(KW)