「海賊対処法案」の衆院通過強行弾劾!
4月23日、麻生政権と自民・公明の与党は「海賊対処」法案の衆院可決を強行した。ソマリア沖への自衛隊派兵を恒久化し、武器使用制限を撤廃し、侵略出兵の一大エスカレーションを図るものだ。9条改憲への反革命クーデターだ。断じて許すな! 日帝・麻生政権に対する労働者階級の怒りの総反撃を今こそたたきつけよう。法大決戦、国鉄を軸にした4大産別決戦をぶちぬき、オバマ・麻生打倒の6・14大闘争の爆発へ攻め上ろう!
法案は、自衛隊が「海賊船」とみなした船舶への武器使用を可能にする。攻撃の結果、相手を殺してもいい。外国船をも護衛の対象にし、活動海域の制限もなく、「海賊対処」の名目ならソマリア沖に限らず世界のどこででも行動できる。国会承認も必要としない。米軍など多国籍軍との共同作戦も可能だ。しかもイラク派兵時のような期限付きの特別措置法ではなく一般法として制定される。まさに、戦後憲法の枠組みを大きく踏み破る事実上の恒久的な海外派兵法が制定されようとしているのだ。
現在ソマリア沖に展開する海自の護衛艦2隻にはすでに、「海賊」を逆襲してせん滅または拿捕する能力を持った、完全武装の海自特殊部隊が乗り込んでいる。麻生政権はさらに、海自の哨戒機P3Cに派遣準備命令を発令し、その出撃拠点となるジブチの空港警備に陸上自衛隊をも派兵することを決定した。インド洋で給油活動中の部隊と合わせれば、中東に展開する自衛隊の規模は実に1千人を超える。日帝・自衛隊が9条改憲を待たずに海外への大規模な侵略出兵に猛烈な勢いで突入している現実を、強く弾劾しなければならない。
ソマリア沖での米帝など各国の軍事行動は、世界大恐慌下でますます激化する資源・市場の争奪戦と一体となった、中東での「対テロ戦争」という名の侵略戦争の一環として展開されている。「海賊」なるものの正体は、帝国主義によって漁場を破壊されて生きる手段を奪われた漁民たちの「生きさせろ!」の闘いだ。日帝はかつて日帝の侵略に抵抗する中国の労働者や農民を「匪賊」と呼んで攻撃し、その「討伐」を叫んで中国侵略戦争に突入していったが、「海賊対処」とはまさにその歴史を再現するものにほかならない。
民主党や日本共産党・社民党などの野党は「海賊は犯罪行為だから警察力で取り締まるのが正しい」(共産党・志位)などと言い、ソマリア沖での軍事行動そのものには何も反対していない。衆院通過は、これら野党の全面屈服によるものだ。民主党は「修正協議」を提案し、今国会での成立を推進する側に回っている。こうした野党や体制内の労組幹部をぶっとばす、4大産別を先頭とした労働者の階級的決起とその団結の拡大こそが侵略戦争を阻む力だ。怒りを倍加させ、4月末から5月の闘いへ、6・14闘争の爆発へと突き進もう。(千)