フランス・トヨタの労働者が工場を実力封鎖
ベルギー国境にほど近いフランス北部バランシエンヌ市郊外にあるトヨタのオナン工場で、4月16日夜、労働組合員約300人が、経済危機にともなう一部操業停止で給与が減額されることに抗議して工場の入り口をすべて実力封鎖した。このため経営側は資材を一切運び込むことができず、同工場は17日も操業できない状況が続いた。フランス公共ラジオによると、2001年の開設以来、同工場が完全な生産停止に追い込まれたのは初めてのことという。
オナン工場は、トヨタがイギリスに次ぎヨーロッパで2番目に開設した乗用車工場だ。労働者は約2700人で、小型車「ヤリス」(日本名ヴィッツ)を生産している。同工場は昨年9月から一時帰休を実施。さらに年初以降、一部操業停止の期間が計2週間になり、4月の給与が平均で約300ユーロ(約3万9000円)減額された。労働者は「世界で最も裕福な企業に数えられているトヨタに賃金をカットする理由はない」として、一時帰休時の賃金を満額で支給することなどを要求して決起した。労働者は先週からストに突入したが、16日になって戦術をエスカレートさせた。
まったく時を同じくして、日本のジェコー(トヨタ系自動車部品工場)でも、労働者が期間従業員解雇に反対して7時間半にわたる職場占拠・座り込みの実力闘争を闘った(本速報版にて既報)。日本とフランスの労働者の階級的連帯万歳!(K・Y)