全国教研、機動隊の壁ぶち破り日教組本部打倒を宣言
2月21日、日教組第58次全国教育研究集会が広島市内で行われた。
全国教研開催にあたって日教組本部は、停職6カ月処分を突き破って「日の丸・君が代」不起立を貫く東京の教育労働者・根津公子さんらのレポートを排除。さらに、主催県である広島県教職員組合は、不起立を貫き日教組・広教組本部打倒へ闘う組合員に対して、「ビラを配らない」「不規則発言をしない」などを誓約する「誓約書」を提出しない限り、「(全国教研に参加する)IDカードを渡さない」と通告してきた。そして21日当日は早朝から、「右翼対策」ではなく「闘う組合員対策」のために、全体集会会場の広島国際会議場の周辺に機動隊を配置。ふざけるな、日教組本部! 機動隊を導入して威嚇すれば、組合員は黙るとでも思っていたのか!
全国から集まった日教組組合員は、広島現地の青年教育労働者を先頭に、機動隊の阻止線と対峙して、国家権力と日教組本部を徹底的に弾劾。集まった組合員に対して、大演説とビラまきで訴えきった。多くの組合員が事態に驚き、怒り、「誓約書」撤回要求署名に応じた。分科会では、レポーター、助言者の中からも抗議の声があがった。機動隊導入で墓穴を掘ったのは、日教組本部の方だ。日教組を闘う労働組合として甦らせる力が、力強く台頭しているのだ。
全国労組交流センター教育労働者部会の仲間たちは、21日朝6時過ぎ、全体集会会場の広島国際会議場前に登場した。会場一帯が、この日のために設営されたフェンスで囲まれている。組合員弾圧のために日教組本部が設営したものだ。さらに早朝6時50分頃、国際会議場入り口でビラまきを始めた組合員、支援の労組に突如機動隊が襲いかかった。以降、会場入り口を大量の機動隊が制圧し、蹂躙するという異常な状態のまま、教研全体集会が開会された。全体集会で日教組本部の中村譲委員長は、なんと「警察の警備に感謝する」とまで言い放った。
機動隊によって排除されたのは、右翼ではない。「日の丸・君が代」不起立闘争を先頭で闘う広島や東京の組合員。そして弾圧の対象となった行為は、東京教組のレポート排除、「誓約書」強要に抗議するビラまき活動だ。こんなことが許せるか! 日教組本部は、ついに闘う組合員を、本部を批判する言論活動を平然と警察に売り渡すまでに転落したのである。
クビをかけて不起立を闘う根津公子さんのレポートや、根津さんを解雇させない闘いに取り組む東京・町田教組のレポートを排除する。他方で、改悪教基本法の具体化や免許更新制強行を宣言する文科省のメッセージを朗々と読み上げ、組合員に拝聴させる。日教組本部は、ご丁寧にも回収袋まで用意して、ビラを参加者から取り上げようとした。日教組本部は、正真正銘の、文科省の先兵へと転落した。「平和と真実を貫く民主教育の確立」を掲げた「教育研究集会」は、日教組本部を牛耳る連合・民主党勢力によってついにここまで転落したのである。現場組合員の一切の異論、本部批判を許さず、自由な討論をさせない。その判断材料となる事実も知らせない。現場組合員をトコトン敵視する日教組本部の正体をこれほどよく示すものはない。
誰が、管理強化や多忙化を許しているのか。誰が、愛国心教育の強制に道を開いているのか。闘う方針を出さないばかりか、体を張って闘う組合員を支援しないばかりか、警察に売り渡す日教組本部です。こんな連中は、打倒するしかない。クビを賭けて闘う根津さんら被処分者と団結して、不起立で闘うことこそ、闘う日教組を現場組合員に奪い返していく道だ。
今次教研全体集会は、日教組本部が完全に国家と資本の側へと移行した歴史的画期であると同時に、青年教育労働者を先頭とする新しい階級的労働運動が日教組を奪還していく歴史な戦闘宣言の日となった。世界大恐慌下で加速化する道州制・教育の民営化による首切り攻撃を打ち破り、正規・非正規の分断、民間・公務員の分断を打ち破り、「生きさせろ!」ゼネストを切り開こう。全世界の労働者とつながり、その団結の力で、労働者が主人公となる社会をつくり出そう。ともに闘おう!(労組交流センター教育労働者部会)