アイスランドで労働者人民が政府を実力打倒!
アイスランドで1月26日、独立党(保守)と社会民主同盟(社民)からなるハーデ首相の大連立政権がついに崩壊した。世界的な金融危機の中で、労働者人民の怒りの爆発によって政府が崩壊に追い込まれたのはこれが初めてのことだ。昨年から続いた闘いは1月24日の夜にピークを迎え、アイスランド(人口32万人)の首都レイキャヴィークの国会前には6000人が結集し「政府の即時退陣」を要求した。民衆は口々に「われわれが求めているのはアイスランドの革命だ」と叫んだ。若者は警官隊と激突し、主婦らはそれを鍋を叩いて応援し、ついに警官隊を粉砕し無力化させた。(写真は25日のアイスランド国会前。プラカードの文字は「新しい共和国のために」)
翌25日、シグルスソン商業相が金融危機の責任をとって辞任。しかし闘いはやむことなく、連立政権はついに崩壊、繰り上げ総選挙(5月9日予定)の発表となった。この連日の激しいデモはアイスランドのNATO加盟(1949年)反対闘争以来最も激烈な闘いであり、建国(1944年にデンマークから独立)以来史上最大のデモだった。警官隊も60年ぶりに催涙ガスを投入したが、それでも鎮圧することができず逆に粉砕されてしまった。
アイスランドは、世界大恐慌によって最も深刻な影響を受け、9月15日のリーマン・ショック直後から最大の3銀行が次々と国有化され、通貨は急落、経済は収縮、インフレは高騰、失業率もうなぎ登りの状況だ。失業率は08年初めに1%だったものがまもなく10%以上になろうとしている。厳寒の中で住居を失う人も続出している。この中で、「生きさせろ!」の闘いが文字どおり全階級的・全人民的な実力闘争として大爆発した。民衆が腹の底から怒り総決起したとき、資本家階級やその手先の警官隊がまったく無力であることを、アイスランドの労働者階級人民は身をもって証明した。(え)