ショーワで派遣労働者が指名スト決行
1月23日、派遣労働者の解雇に抗議して、ホンダ系の部品メーカー・ショーワで働く派遣労働者3名が、朝7時45分の始業時から昼勤終了の16時30分まで、一般合同労組さいたまユニオンの方針にもとづき、指名ストライキを決行した。
3名の組合員はいずれも12月末に、1月31日までとする解雇通知を受けている日研総業(1名)、東洋ワーク(2名)の派遣労働者。1月末をもって寮からの退去も求められている。年末年始過程での組合によるオルグで、さいたまユニオンに加入した。日研総業、東洋ワークとの団体交渉が1月末から2月冒頭に予定されているが、派遣先企業であるショーワの責任を問うべきとの強い思いから、ストライキを決行することにした。
3名の組合員は、労働組合の経験も、ストの経験もない。寮から追われれば住むところもないというギリギリの思いから、強い雨の降る23日の早朝から、ショーワの門前に、支援するさいたまユニオン組合員とともに集合。組合員の激励を受けて、ショーワ本社工場の構内にいつものように入り、所属の部署に赴き、上司にスト通告書を手渡しスト決行を宣言。門から出てきて、スト突入集会に合流した3名の組合員の顔は、実に晴れ晴れとしている。「やりましたよ。上司はかしこまって、わかりました、確かに預かります、だって」と、口ぐちに報告する。12月末に解雇通知を受けて、その後の悶々とした日々は絶望以外の何ものでもなかったが、団結して資本と闘う姿は、誇らしいばかりだ。
これまで3回行われた門前ビラまきには、自動車総連傘下の組合員がビラの回収に出てきたが、今回はまったく対応できない。会社も何も手出しができない。派遣切りのあまりの不正義に何も言えないのだ。正門前の決起集会のアジテーションが工場全体に響き渡る。屋外にある喫煙所にたむろする多数の労働者がうなずくように聞き入る。「ついこのあいだまで、むちゃくちゃにこき使って利益をあげておきながら、生産減少だからと、紙切れ一枚で首を切る、そんなことが許せるか!」というユニオンのアジテーションは、派遣労働者のみならず正社員の心をも確かにつかんでいる。
ショーワは、さいたまユニオンが申し入れた団体交渉を16日に拒否。これに抗議して、さいたまユニオンは20日の臨時大会でスト権を確立。ショーワに働く派遣労働者がユニオンに初めて結集してから、わずか48日目にしてのスト突入である。「闘いはこれからだ」「ショーワの社長かここに出て来い!」「団交に応じてください」。12月7日に最初に組合加入したSさんがマイクで訴える。さいたまユニオンは、ショーワに団交に応じることを求めてさらに闘う予定だ。これは闘いの始まり、第一波に過ぎない。(埼玉・B)