イタリアのゼネストが新自由主義的「教育改革」を阻止!
ギリシャで壮大なゼネストが闘われた2日後の12月12日、今度はイタリアで11月14日に続き再び全国ゼネストが闘われた。参加した労働者は150万人。ストは全産別にわたり、鉄道も病院も郵便局も銀行もほとんどすべてが止まった。ゼネストに合わせて全国100以上の都市でデモがおこなわれた。参加人員は数十万。そして重要なことは、この間の連続したゼネストの結果、ベルルスコーニ政権の「教育改革」(国立大学の民営化や3年間で教職員13万人以上の解雇、教育予算の7%削減などを狙う)をついに凍結させたことだ。
写真はフィレンツェでのゼネスト当日の集会
各地のデモでは、「物価・雇用・賃上げ・年金・減税」などのほか「金融危機にわれわれの税金を使うな!」「団結して解雇を阻止しよう!」といったスローガンが多数掲げられた。ギリシャのアテネで射殺された少年を悼み、ギリシャの労働者・学生に連帯するスローガンも多く見られた。
このゼネストを呼びかけたのは、最大の労働組合ナショナルセンターのイタリア労働総同盟(CGIL、旧社会党左派・旧共産党系、500万人)だ。カトリック系のイタリア労働組合同盟(CISL)や社民右派系のイタリア労働連合(UIL)は参加せず、「こんな経済危機の時にゼネストは無責任」と言って敵対した。では、ゼネストを呼びかけたCGILが政府・資本と真っ向から対決する時代認識と路線をもっているかと言えば、それも違う。彼らは、物価の高騰や賃金の引き下げ、そして9月以降の膨大なレイオフや非正規職労働者の切り捨てのために労働者の怒りが猛烈に爆発しつつあるのを感じて、ゼネストをガス抜きの手段としたのだ。CGILに強い影響力をもつ共産主義再建党(旧イタリア共産党の後継政党)は、ゼネストにあたって「産業政策における公的役割の強化」を要求するていたらくであった。ゼネストが成功したのは、ランク&ファイル労働者がヘゲモニーをもついくつかの組合や学生・高校生のグループが連携して牽引車となり、それが強力に引っ張ったからだ。
イタリアの失業率は08年10月で6・8%、25歳以下となると20%にものぼる。25歳以下の失業率が20%を超えるのはギリシャもスペインもフランスも同じだ。そして、まさにそのような国においてゼネストが闘われている。世界革命情勢はますます深まっている。(あ)