日産の人員削減にバルセロナの労働者が激しく抗議
スペイン北西部に位置し、同国第2の大都市バルセロナ(カタルーニャ州)で10月29日の晩、2000人の労働者が日産自動車の首切り計画に抗議してデモを行った(写真)。これは日産が同13日に、バルセロナでの日産工場労働者の40%にあたる1680人の解雇を発表したことに対するものだ(同国全体での日産の労働者は6100人)。労働者の闘いは11月11日にも闘われ、このときは数百人が集まり、日産の事務所にたいしてビンを投げるなど抗議行動はいっそう激しさを増した。
世界金融大恐慌が爆発する中、スペインでは失業率が急上昇している。EU統計によれば同国の9月の失業率はじつに11・9%、EU平均の7%を大きく上回り、加盟国中最悪だ。また、欧州自動車工業会が14日に発表した10月の欧州新車登録台数は前年同月比14・5%と大きく減少している。とくにスペインで40%減、イギリスで23%と驚くべき落ち込みだ。このため、アメリカのGMやスペインメーカーのセアト(SEAT)も解雇計画を発表している。またイギリスとスペインはアメリカ同様、激しい住宅バブルの崩壊に見舞われているという共通点がある。EU委員会の経済予測では、10~12月の成長率がイギリスでマイナス0・4%、スペインでマイナス0・3%だ。
このような中、スペインでも労働運動が日々激しさを増している。特徴は、イタリア・ドイツ・フランスなどに見られるように、この闘いに学生が大合流していることだ。11月13日に、バルセロナ7万・マドリード3万を先頭に全国60か所で数十万人の大学生・高校生が教育の民営化反対のゼネストに決起した(写真)。世界大恐慌の深まりの中、「生きさせろ!ゼネスト」は今や全世界の労働者階級人民の共通の叫びとなった。(さ)