イタリアでゼネスト、100万人の労働者・学生首都ローマ埋め尽くす
9月末以来「津波」のような労働者・学生のスト・デモの闘いを繰り広げてきたイタリアで、11月14日、その闘いが1つの頂点を迎えた。全国から20万の学生・生徒が首都ローマに結集して街頭を埋め尽くす、すさまじい実力デモを敢行した(写真)。同じ日、大学・研究所の教職員も全国で一斉にストに入り、講師・研究者・技術者・事務職らがやはりローマに結集して、独自に10万人のデモを組織した。さらに、鉄道・地下鉄・バスなど交通労働者・自治体労働者・医療労働者・航空労働者(アリタリア)・消防士などを先頭にありとあらゆる産別の200万の労働者が全1日のストに突入した。この日、ローマは100万人の闘う学生と労働者であふれかえったという。
イタリアでは10月30日、数十万人が参加する教育ゼネストが闘われたが、今回のスト・デモはそれをもはるかにしのぐ。マスコミも「20年来最大」の決起と報道。学生や教育労働者の闘いは直接には、国立大学の民営化や3年間で教職員13万人以上(教員が8万7000人、事務職員が4万4500人)の解雇、そして教育予算の7%削減などを狙う教育改悪法に反対するものだが、その闘いに賃上げや労働条件の改善、解雇撤回を掲げた全産別の労働者が圧倒的に合流している。闘いは、スト・デモから大学・学校の占拠にまで発展している。10月の27日に、1万人の学生がローマ大学ラサピエンツァ(ローマ第1大学)を占拠したのをはじめ、全国でこれまでに150以上の大学・学校が占拠されている。学生たちは占拠した大学を活動拠点にさらに駅などを占拠する実力的闘いに決起している。そしてイタリアの「熱い秋」は「暑い冬」へと引き継がれている。学生・労組は12月12日の全国ゼネストを呼びかけた。これが次の山場だ。 労働者・学生が一体となってゼネストを打ち抜き街頭を実力で制圧する――このような闘いはいまギリシャ・スペイン・イタリア・ドイツなどで圧倒的に巻き起こっている。世界金融大恐慌の大爆発が、ヨーロッパの08年スト激発情勢をブルジョアーの打倒を展望できる新段階に一気に押し上げている状況だ。(し)
【写真上】首都ローマの街頭を埋め尽くす学生・生徒
【写真下】占拠しているローマ大学ラサピエンツァで大集会をおこなう学生・生徒