米の医療労働者がSEIU本部と激突、労働協約闘争に勝利
米のSEIU(サービス従業員国際労組、170万人)に所属するUHW(西部医療労組、14万人)の労働者は、SEIU本部の「資本とのパートナーシップ」路線を正面から批判して闘っている。SEIU本部は、6月の全国大会以降、UHWを強権的に本部直轄支配の下に置こうとして攻撃してきた。資本もSEIU本部に呼応し、統制処分の動きを理由にしてUHWとの団体交渉に応じないなどの攻撃にでてきている。だが、6000人のUHW組合員が統制処分反対のピケットに決起した。アメリカ労働運動史上かつてないランク・アンド・ファイルの大反乱だ。(写真は本部直轄支配反対の6000人のピケット、9月27日)
こうした資本と結託した体制内労組指導部との激突のさなかに、UHWは病院資本との闘いに巨大な勝利をおさめた。10月12日、カリフォルニア州最大の病院チェーンであり、全米的にも最大級であるカソリック・ヘルスケア・ウェスト(CHW)の33の病院と各種の診療所に働くUHW所属の約14000人の医療労働者は、歴史的な勝利の労働協約を闘いとった。
妥結した協約には、すでに獲得していた全国的にも高い水準の賃金や全額経営側支払いの健康保険に加えて、①4年間で26%の賃上げ、②毎年6人の現場労働者が1年交替で有給の組合専従となり、任期後は不利益なしで原職に復帰する、③各職場ごとに12人の職場委員が一月当たり8時間まで有給で組合活動ができる、④数百人の労働者を新たにUHWの組合員にする、などが明記された。この協約は全米の医療労働者の新しい基準となり、現在進行中の他の医療機関との交渉にも大きな影響を与えるものだ。
UHWの医療労働者はさらに、サッター・ヘルスなどの10の病院・施設で10月29日に24時間ストライキを行うことを決定した。数ヶ月間に及ぶ不当労働行為と病院側の団体交渉における不誠実な対応に対する反撃である。そのうち3ヵ所では、CNA(カリフォルニア看護協会)所属の看護師が連帯ストに立つ。サッターは、北カリフォルニアで最大の病院企業であり、財政的に潤っているにもかかわらず、労働者には医療業界の標準をはるかに下回る条件を強制しようとしてきた。これへの怒りが爆発している。(写真はストライキに立つUHWの労働者)
8月のストライキのビデオ http://jp.youtube.com/watch?v=GNNpmU455VI