2008年10月19日08:00

中国で大手企業が倒産、労働者が未払い賃金求め工場包囲

 中国国内で企業の倒産と、これに伴う労働者の怒りの決起が相次いでいる。10月15日には広東省東莞市で、最大手の玩具メーカーである合俊集団(本社は香港)の2つの工場が突然閉鎖され、労働者6500人が給与未払いのまま路頭に放り出された。労働者たちは17日、未払い賃金の即時支払いを要求して工場門前に結集、数千人の怒りのデモで工場を包囲した(写真)。同様の抗議行動は広東省内の5ヵ所の工場で起こり、警察との衝突も発生している。

 倒産した玩具メーカーはおもちゃ業界では世界3大企業に数えられる大企業で、突然の倒産には衝撃が走っている。中国のおもちゃ生産は世界の7割を占め、広東省はその最大の生産基地だ。閉鎖した工場が生産していた製品のほとんどは米国に輸出されていた。米市場の縮小による輸出の頓挫と、金融大恐慌による資金繰り悪化のダブルパンチであっという間に破産し、工場閉鎖に至ったのだ。労働者の賃金は、先月から支払われていなかったという。
 今回のケースだけではない。浙江省紹興市でも10月8日、地元大手企業による賃金滞納に抗議した労働者1000人以上が、市の交通を一時ストップさせるデモを行った。この工場は中国の最大手企業の傘下にある染色工場で、3000人の労働者に対し、最長6ヵ月もの賃金未払いが続いていた。県政府当局は闘いの爆発に恐怖し、デモ当日の夜に工場を接収して、政府の責任で滞納賃金を全額支払った。広東省でも当局は、武装警官隊による厳戒体制をとる一方、政府が全労働者の未払い賃金を立て替えて再就職のあっせんもすると声明し、労働者の怒りをなだめるのに必死になっている。世界金融大恐慌のもたらす革命情勢が、ついに中国にも波及し始めた!(千)

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