米医療労組UHWが、SEIU本部の体制内的統制に反撃
9月27日、SEIU(サービス従業員国際組合)傘下のUHW(西部統一医療労組)の医療労働者6000人とその支持者が、カリフォルニア州全地区からサンマテオ(サンフランシスコの南)に結集した。15万人の組合員を持つ戦闘的な組合UHWに対して、体制内労働運動のスターン一派が支配しているSEIU本部は、トラスティーシップ(“信託統治”=本部の直轄)のもとに従属させようと、以前から策動を続けてきたが、今回査問会を開き、聴聞をするという攻撃にでてきた。これに対する大衆的抗議が爆発したのだ。UHWの労働者は、汚職まみれのスターンこそ、査問にかけるべきだと主張している(写真)。この行動は、体制内労働運動に反対して、組合民主主義を守れという運動として、アメリカの労働運動史上最大のものである。(写真集へ)
スターンらSEIU本部は、病院の経営者と結託し、病院勤務の労働者に対し、UHWをはじめとする組合の活動家を追放している。協約交渉において、多くの病院は、UHWとの交渉を拒否し、SEIU本部が組合を信託下におくことを待って、本部と協約を締結しようとしている。UHWは、このような状況のなかで、協約交渉拒否にあった医療施設の労働者に対し、全カリフォルニア州でストライキに決起することを呼びかけ、同時にSEIU本部との闘争についてのティーチインを組織している。
170万人の組合員を持つSEIUの本年6月の大会は、プエルトリコ教組(FMPR)に対する本部のスト破りをめぐって、反対派=戦闘的潮流との激突となった(『国際労働運動』№13、08年6月号参照)。これをひきついで、体制内労働運動を内部からふっとばす闘いが、ILWU(国際港湾倉庫労組)とUTLA(ロサンジェルス統一教組)の率いる西海岸で爆発しているのだ。