2008年10月 1日01:09

ウォール街で米の労働者が金融資本救済に怒りのデモ

 9月25日、ニューヨークのウォール街を始め、各地の連邦準備銀行前などで一斉に労働者のデモ、集会が行われた(写真はニューヨーク証券取引所前の集会)。この日、7000億㌦の不良産買い取り=金融機関救済(ベイルアウト)法案が議会で合意・採択される予定だったからだ。今回のデモの特徴は、労働者が怒りだけではなく、独特の解放感を示していたことだ。資本の権威が崩壊したことによる解放感だ。また、体制内指導部の権威もぐらぐらになり、職場の労働者が生き生きと闘い始めたのだ。口々に叫ばれたスローガンは、「ジェイル! ノット・ベイル!(刑務所だ! 買取救済するな!)」

 7000億㌦でブッシュ政権が救済しようとしているのは、「詐欺もどき」どころか、詐欺そのものの手口で金儲けした奴らだ。サブプライムローンも、複雑怪奇なリバティブも、みんなそうだ。あんなやつらを、税金を使って救済るなんて、とんでもない。刑務所に送れ! これが、労働者の声だ。プラカードで、「Jail! Not Bail!」と同じように目立ったのが、「儲けは民営化。損は社会化」だ。民営化、自己責任を叫び、福祉という考え方そのものを否定し、破壊してきた連中が、自分たちが損したとたん、社会全体で……と言い出したことへの怒りだ。
 9月25日は、反対があまりにも強く、政権と議会幹部との合意もできなかった。その後、「非常時金融安定化法案」と名づけ、民主・共和両党議会幹部と挙国一致体制をつくって9月29日の下院採決に臨んだ。だが、下院は圧倒的多数で否決したのだ。9月29日、労働者人民は、全米11ヵ所で反対集会・デモをした。21日からこれまで全米で250以上のデモがあった。
 詳しくは、『国際労働運動』第15号が、世界金融大恐慌にうろたえる資本家階級と、解放感あふれる労働者の闘いについて翻訳と解説を掲載しています。

ビデオ:労働者の7000億ドル投入反対集会(9月25日、ニューヨーク、ウォール街、証券取引所前)
http://www.youtube.com/watch?v=XreAnHG8xu4

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