ギリシャで10万人が民営化反対の24時間スト
10月8日、国営「オリンピック航空」の民営化をはかる政府決定や生活費の高騰に抗議して、ギリシャ労働総同盟(GSEE)に所属する労働者10万人が全土で威力ある24時間のストを打ち抜いた。国鉄・地下鉄・バスなどの公共交通機関が朝のラッシュアワー時から運行を停止、そのため首都アテネの道路は大渋滞し、アテネ国際空港も全面欠航となり、旅行客であふれかえった。この交通ストと連帯して、一部民営化された電話会社や国営電力会社もストに突入。国営病院でもごく少数の緊急要員をのぞき一斉にストに突入した。(写真は国会デモの先頭にたつオリンピック航空の労働者)
注目すべきは、このストに連帯し、また年金改悪反対の独自要求を掲げてテレビ・ラジオ・新聞などほとんどすべての報道関係者・ジャーナリストが朝5時から24時間の報道ゼネストを闘い抜いたことである。そのためギリシャではその日、テレビもラジオも放送がなく、ただ音楽とフィルム映像が流れるのみ。新聞も発行されず、インターネットも更新されることがなかった。(写真は大挙してデモに参加するジャーナリスト)
カラマンリス首相はストの前日、一連の懐柔策を打ち出していたが、労働者側はそれを決然と蹴って一糸乱れずストに突入した。GSEEなど労働組合側は「本日の実力行使はほんの始まりにしかすぎない。政府が民営化政策をあくまでも実施しようというなら、われわれは10月21日にゼネストに突入する」と宣言している。今年になってからすでに何度もゼネストを闘っているギリシャに、世界金融大恐慌情勢のもとで本格的な革命情勢が訪れている。(こ)