10月19日フランス・パリで教員削減に反対し8万人がデモ
10月19日、フランス小首都パリで教育労働者8万人がサルコジ政権の教育改革に反対してデモを行った。定員を削減する代わりに教育に投資をすべきだと要求した。イタリア広場からバスティーユ広場まで、全国から集まった教育労働者、大学生、高校生、公立学校生徒の親の会同盟が行進。教育を政府の優先事業としないことを危惧(きぐ)する47団体の呼びかけにこたえた。47団体はアピール「教育を優先せよ」を発した。 サルコジ政権は、世界金融大恐慌のなかで金融資本救済を最優先し、雇用や賃金、教育や社会保障を削減しようとしている。労働者階級はサルコジ政権の諸政策に反対し、自らの階級的利益を守るためにに立ち上がっている。
デモでは「学校に投資せよ。それが未来を築く」「教育という公共サービスを破壊するな」「銀行か教育か、私は選択した」などのスローガンが叫ばれた。「無視の金メダリスト、ダルコス(教育相)」という皮肉も見られた。「両親が金持ちになったとき君は成功するだろう」とか「学校は終わった。君にはアカデミー(・フランセーズ)がある?」など、教育の企業化・私有化である大学法人化に反対するスローガンも出された。
デモは、11月初めに国民議会(下院)で2009年教育予算を審議し、2009年に教育労働者の定員を1万3500人削減しようとしていることへの先制反撃だ。サルコジ政権は2007年に8500人、2008年に1万1200人を削減した。学業挫折者むけ特別校の教育労働者をも削減しようといる。これに対してデモで「すべての人が成功するよう頑張るとは、挫折者校を閉鎖することではなく強化することだ」などのスローガンが掲げられた。FIDL(独立民主高校生同盟)の高校生も「教育労働者の定員が削減されるとクラスの人数がさらに増える。高校改革で何が行われるかまったく不明だ」と批判している。
FSU、CGT(労働総同盟)、UNSAなど労組とUNEF(仏全国学生連合)など学生団体は、11月3日の国民議会での高等教育予算審議に合わせて総会を持ち、国民議会前に結集することを呼びかけている。とりわけUNEFは近く全大学で「生活・学業条件の低下」に反対して学生総会を開くことを指示した。(ひ)