RMT所属のロンドン地下鉄清掃労働者が48時間スト
RMT(鉄道・海運・運輸労組)に所属する700人以上のロンドン地下鉄清掃労働者(ほとんどが女性)が、7月1日夕刻からの48時間ストを一糸乱れずに打ち抜いた。彼女らの最大の要求は、ロンドンでの最低賃金と決められている1時間7・2ポンド(1ポンド=約2㌦)の支払いだ。現在はわずか5・5ポンドでしかない。さらに28日間の有給休暇の保障、疾病手当(病気休暇中の手当)、まともな年金の保障などを要求として掲げている。このストに先立って、代議員によるスト権投票がおこなわれ、じつに125対1の圧倒的多数でスト突入が決められた。写真のプラカードには「乗客は地下鉄清掃労働者を支援する」「RMTの運転士は清掃労働者を支援する」とある。
ロンドン地下鉄の清掃事業は4つの民間企業に委託されているが、これらの企業は、徹底的な搾取をとおして暴利をむさぼる一方で労働者には最低賃金や基本的労働条件さえも認めていない。また解雇もほしいままにしている。ロンドンのど真ん中におけるこの「蟹工船」的状況のなかで、労働者たちの根底的な決起が始まった。今回の48時間ストは、6月26~27日に行われた第1波の24時間ストに続くものだ。RMTのボブ・クロウ委員長は、「地下鉄清掃労働者たちは、さまざまな脅しを受けるなか、これまでなかなか闘いに立ち上がることができなかった。しかし今や、生活できる賃金を求めて初めて歴史的ストライキに立った」と述べた。また、「地下鉄清掃労働者は、ロンドンで最も搾取され酷使されている労働者たちだ。今回圧倒的多数でスト権を確立したことは、彼らの怒りがどれほどのものかを満天下に示すものだ」と語った。
RMTは、イギリスにおける左派組合(約7万人)で、アメリカのILWUローカル10とも緊密な協力関係にある。ボブ・クロウ氏は、昨年10月20日にサンフランシスコでおこなわれた戦争阻止労働者国際会議にも参加し、そのとき動労千葉代表とも挨拶を交わしている。このかんイギリスでは、教育労働者や自治体労働者のスト、精油所やタンクローリーのストが全土を揺るがしているが、その中で巨大な代表的左派組合が首都で闘いを継続し拡大していることは実に大きな意味をもっている。(ふ)