イタリアの鉄道労働者が全国24時間ストに決起
イタリアの鉄道で7月6日21時から24時間の全国ストが闘われた。このストには翌7日朝からバス・地下鉄・近距離交通鉄道などが一斉に続き、首都ローマをはじめイタリア全土で地上の公共交通のほぼすべてが完全にストップした。労働組合の要求は、すでに6か月以上にわたって協約切れになっている政府との労働協約の再締結で、これに賃上げを盛り込むことを要求しているが、政府がそれを拒否しているため今回のスト突入となった。組合側は「7月18日には航空ストも加えてもっと強力なストを行う。労働者は一致団結している。政府は責任ある回答をすべきだ」と迫っている。
写真は完全に止まったイタリアの鉄道(7月7日、ローマ)
イタリアでは4月中旬に上下両院の総選挙が行われ、右派が圧勝し、かつては30%の得票を誇った強大な共産党(1991年2月に「左翼民主党」へ名称変更し、その後分裂を重ねる)の後継小政党がすべて議席を失う事態となった。この選挙結果を受けて成立した第3次ベルルスコーニ政権は「安定政権」と言われてきたが、それは議会的幻想でしかない。資本家階級対労働者階級の対決関係において、ブルジョアジーは労働者階級の戦闘力をたたきつぶすことがまったくできていないからだ。EU内部でもイタリア経済の低迷は著しく、2007年10―12月期も08年1―3月期も、実質国内総生産(GDP)成長率はゼロまたはマイナスと予測されている。この中で、イギリス・フランス・ドイツに続き、大規模なストライキの波がついにEU帝国主義の「最弱の環」=イタリアに押し寄せている。(し)