韓国で貨物連帯が全土の物流を止めるストに突入
韓国のトラック運転手の組合である全国運輸産業労働組合・貨物連帯(組合員1万3000人)が、ゼネストへの先陣を切って全面ストライキに突入した。6月12日夜、全国15支部でスト出征式を開催。13日午前零時から一斉に集団運送拒否に入った。インチョン支部ではスト車輌に「飼料輸送が中断して家畜が死ぬ前に、ガソリン価格が上がってまず人が死ぬ」の横断幕が掲げられた。このストライキには、貨物連帯の組合員だけでなく、非組合員も大挙して参加し、「生存権をかけた運送拒否」に立ち上がっている。
このスト突入に連帯し、民主労総・全国運輸産業労組傘下の鉄道・空港・港湾の各労組が貨物の代替輸送拒否を決定した。全国運輸産業労組はさらに13日の記者会見で、政府が公権力を発動して貨物連帯のストを弾圧するなら、鉄道も直ちにストに突入すると宣言した。(写真は貨物連帯ソウル京畿支部のスト出陣式)
貨物連帯の全面スト突入により、韓国政府と資本家団体は、全国の主要港湾と事業場での「物流大乱」が予想されると危機感を強めている。すでにこの間の貨物連帯の散発的なストにより、家電、自動車、石油化学、鉄鋼会社は、製品や原材料の入荷・出荷に支障をきたしており、全面スト実施で輸出への影響が深刻になり、韓国経済に大きな打撃を与えるとパニック状態になっている。
今回のストで1日につき1280億ウォンの損害が発生するとされ、これは2003年の全面ストでの損失1日385億7000万ウォンの4倍に達する。政府は急きょ関係閣僚会議を開き、ストが続く場合は軍の装備と人員をも投入して物流の混乱を食い止めるという方針を決定した。(写真は警察と対峙して闘う貨物連帯の労働者)