デンマークで看護師ら6万5千人が無期限スト突入
先週末の交渉の決裂という事態を受けて、4月16日、デンマークで6万5000人の看護師・ヘルパー・保育士ら(公務員)が一斉に無期限ストに突入した。要求は最低15%の賃上げだ。ストの対象となっているのは、病院・高齢者施設・保育園などだ。
デンマークでは、看護師らの賃金がことのほか低く、他の公共部門で働く労働者に比べて30%も少ない。国側は12・8%の賃上げを提示しているが、組合側は、「もともと賃金がとても少ないのだから15%は絶対に譲れない最低線」としている。首都コペンハーゲンの病院で働くレア・ラスムセンさん(女性)も、「8年間看護師として働いてきて経験も積んできたのに、この給料はないわよね」と言って積極的にストに参加している。
北欧のデンマークはスウェーデンとならんでしばしば「福祉国家」と呼ばれてきたが、その内実が労働者の賃金を大幅に低く抑えることで成り立ってきたことが、今回のストで白日のもとに暴き出された。
ストによってすでにさまざまな問題が発生してきているが、民衆はストを基本的に圧倒的に支持している。