バングラデシュで女性労働者2万人が実力デモ・市街戦
4月12日、バングラデシュの首都ダッカで2万人以上の女性繊維労働者が食料品価格の急激な上昇に抗議し、大幅な賃上げを求めて街頭抗議行動をおこなった。 十数の工場から集まった大部分女性からなるデモ隊にたいして、警察の特殊部隊は催涙ガスや警棒、警告発砲などで襲いかかったが、デモ隊は投石やバリケードなどで激しく応戦して闘い抜いた。軍が投入されてようやく市街戦は収束したとのことだ。100人以上の労働者が逮捕された。
(写真 ダッカの町をデモする繊維労働者)
バングラデシュの人口は1億4400万人。そのうち40%の人々が1日1ドル以下での生活を強いられている。繊維工場の労働者の賃金は世界中で最も低い。月々の賃金は23㌦あまりで、これはベトナムでの同種の労働者の半分の賃金でしかない。バングラデシュでは200万の人々が繊維産業で働いている。そのうち85%が女性だ。彼女らは、もらった賃金のうち70%を主食の米のために支出しなければならない。バングラデシュの繊維工場で生産されているのは、たとえばリーバイス、テスコ、H&Mなど欧米大資本のブランド製品だ。
繊維労働者組合の委員長は、「2006年に最低賃金は25㌦と決められたが、それ以来、米をはじめとしてさまざまな食料品が2~3倍になっている」と語った。資本家側は、「世界市場で衣料品価格は下がっているし、中国製品とも競争しなければならない」と言って、賃上げを頭からはねつけている。
米の生産国であるアジアの国々が、今や自国の民衆に米を供給することができなくなり、輸入に頼らなければならないといった事態に陥っている。理由は、国際金融資本の投機の結果、食糧が不足気味になっていることだ。食糧が大量に買い付けられ、巨大な倉庫に寝かされている。その結果、1トンの米がこの間500㌦から1000㌦へと2倍にもなっている。そのため、米の生産国が自国の民衆を養うために高い金を出して国際市場で米を買わなければならないという、とんでもない事態を招いている。これに直撃されているのが、まさにバングラデシュだ。
世界中どこでも、労働者階級人民が生きていくためには国際金融資本・国際帝国主義を打倒しなければならない――それが、バングラデシュの示している現実だ。(こ)